今年の春から大阪ガスと共同でパエリア専用コンロを開発しています。
通常のコンロでは焼きムラが出やすいのですが、炎が効率良く鍋を包み、お米を短時間でムラなくしっかり焼きあげることができます。サイズの違う鍋でも炎を均一にすることが次の課題となっています。
今回は共同開発をしている大阪ガスの開発担当の方に、
パエリア専用コンロについてインタビューをさせていただきました。
大阪ガス株式会社 エネルギー技術部
業務用・空調技術チーム 厨房グループ
市川 恵さん(イチカワ メグムさん)
―コンロの出来具合はいかがですか?
現在は機器製造メーカーであるタニコー(株)の福井工場で、9月中旬から下旬にかけて試作コンロを使って出てきた課題の改良に励んでいます。改良第一弾は2~3週間でできると思うので、また現場で試験的に使ってもらい、改良を重ねていきます。
―開発に苦労している点はどんなところですか?
まずは炎のサイズの変換ですね。
大小サイズの違う両方の鍋に対して炎の大きさを変えられるようにすることが課題。
現在、小鍋サイズにはちょうどいい炎の大きさですが、同じコンロで大鍋にも対応できるようにするにはまだまだ難しいです。
もう一つは、つまみのポジション(火力調整)の部分です。
細かい要望には応えたいが、なかなか調整が難しいので調理の方で幅を持たせてほしいと思っております。冬場と夏場では水温・室温の「常温」が変わってくるので、ガス量も変化します。ポジションを決めるにはガス量を測定して決めるので、正直とても細かい作業になります。
例えば冬の寒い季節に「もう少し弱めでも大丈夫!」というのでしたら夏でも対応は可能になります。ただ逆に夏の暑い季節に「もう少し弱めでも大丈夫かな~」という判断をされた場合、寒い季節になると夏よりさらに弱い火力になってしまうので、判断する季節にもよりけりです。
なので調理の方で具材の大きさなどにより加熱時間が変わるようであれば、火力調整が可能なので微調整をしていただければ助かります。
―パエリアについてどう思われていますか?
パエリアの将来性などについてご意見いただけますでしょうか
やわらかくふっくら炊き上げた白米を毎日食べている日本人には、芯を残して炊いた米は「硬いイメージ」があり少し抵抗がある人もいるかもしれません。ですが、いつも食べてる米に近くて、さらにいろんな味が楽しめるとなれば「毎日食べたい!」と思うのかもしれません。「いつでも食べたい」と思わせた上に、次に本場の味を食べたくなるのではないでしょうか。それか「日本人向けにやわらかめのパエリア」と「本場の芯を少し残したパエリア」と選択肢の幅が広がるとリピートしてくださるお客様も増えるのでは。
まずは「パエリアって美味しい!!」って思ってもらうところから始まるんだと思います。 そして本場のパエリアが広まり、家庭でも作られるようになり、ガスを使ってパエリアを作っていただけるようになればとてもうれしく思います。「炎で包み込んで焼くことによりパエリアをもっと美味しくできる」それをもっと広めていけたらと思います。
大阪ガス株式会社 URL:http://www.osakagas.co.jp/
インタビュアー:株式会社バハルボール 広報 米田亜由美