これまでバハルボールの社員研修はスペインのレストランやワイナリーを巡ることが多いのですが、今回はいつも食材を届けていただいている地元京都の生産者を尋ね、その生産現場に向かいました。
本日、向かった先は京都府南丹市美山町
今日の予定は「観光農園 江和ランド(えわらんど)」にて里山のお話。お昼は近くのレストランにてジビエ料理をいただき、そして江和ランドに戻って鹿の解体体験を行います!
美山町は、京都市内から車で山を越え1時間半もあれば到着できる、まさに風光明媚、自然の眺めが清らかで美しい里山です。バハルボールグループの本店であるラ マーサ(寺町二条)から丸太町通りを西へ進み、福王子の交差点から鳥獣戯画の高山寺や紅葉で有名な高雄エリアを抜けて行きます。昔に比べるとトンネルも開通したこともあって美山町はずいぶん近くなった気がしますね。
赤い鉄橋を越え、茅葺き屋根の家が集まる集落を抜け、少し進むと「観光農園 江和ランド」に到着。宿泊コテージや貸し農園などがあって自然に囲まれて田舎でのんびり過ごせる素敵な施設です。このまま街の雑踏を離れて、のんびり過ごしたいって誘惑に駆られそうです~♪
鹿の内蔵は食べない部位になっているようなんですが、スペイン煮込み料理「カジョス」にすることで鹿の内蔵も可能性あるかも知れませんね。
今の時期の鹿は痩せており。実際は旬ではないそうで、8月、9月の栄養価が高い夏鹿であれば油も乗っており美味しいらしいのですが、鹿取さんをはじめ猟師の方々は他の仕事も多く夏は猟には出ることが少ないそうです。
「奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき」(猿丸太夫)
という和歌にもありますが、秋になるとよく鳴いているし、秋の雌も美味しいとよく言われるそうです。ちなみに鹿肉はチョコレート色が美味しいとされているようです。
今回解体した鹿肉はバハルボール各店でもお出しします。詳しくは各店舗までお問い合わせください。
観光農園 江和ランド(えわらんど)
・鹿取悦子さん
・佐藤さん
・ちーちゃん
田歌舎(たうたしゃ)
・藤原さん
・新田さん
ちなみに、今年の春、江和ランドでは福島県に行って美山に遊びに来てもらう子供たち(小学生4年生から)を募るようです。この企画は2011年から開催しており、当時は精神的に不安定だったけど、あれから5年、ずいぶん落ち着いて来ているとのことです。ボランティアで京都の高校生が活躍しているようで、今年度のボランティアを絶賛募集中だそうです!!
2015年は30名ぐらいの子どもたちが参加。私たちバハルボールもパエリアバスにてパエリアを焼きに行ってました!(その時は猪のパエリアでした♪)
スペイン海鮮料理 LA MASA(ラ マーサ)
http://www.lamasa.jp/
スペイン炭火焼料理 EL FOGON(エル フォゴン)
http://www.elfogon.jp/
スペイン食堂 La Gallega(ラ ガジェガ)
http://www.la-gallega.jp/
里山の自然の営み、熊、猪、鹿といった獣や、山菜、キノコなどの山や川の生態を伺う!
今回の研修をコーディネートしていただくのは、江和ランドの職員であり猟師でもある鹿取悦子(かとりえつこ)さん。(「鹿取」ってその名前、神からの思し召しのようです)
鹿取さんは京都の大学で林学を学び、芦生原生林にて研究。島根県の獣害調査で山村に入っていた頃、鉄砲が必要だと決心されて、鉄砲の免許を取得。山を歩ける、犬と一緒に仕事をするのが楽しく、小学生のお子さんもおられる笑顔が素敵なお母さんです。(南丹市で狩猟免許を持っている女性は二人だけだそうです、鹿取さんは「狩猟ママ」ですね)
京都府では熊の猟はできない(福井県はできるなど地域によって異なる)のですが、熊肉が一番美味しいそうです。皮を剥いだり、肉を炊くだけでもどんぐりの香りが周りに広がるそうです。(鼻から思いっきり吸い込む香りを想像するだけでヨダレが出てしまいそうです。。)
美山の川は日本海へ流れ込む由良川の源流の1つだそうで、この辺りは冬は雪深い日本海側の気候になるそうです。そんな美山の川魚は全国でも美味しいと評判の鮎をはじめとし、アマゴや鰻など自然の豊かな恵みがすぐ目の前にあるようですが、美山に移り住んで15年ほどの間にそんな環境も大きく変わってきているようです。
特に鹿の増加による環境の変化は獣害としても大きな課題となっており、人の生活環境だけでなく、山や川の自然環境にも大きな影響を及ぼしているそうです。鹿が増えたことから鹿の餌である下草が食べ尽くされてしまい土壌が現れる山が増える。そして土壌が現れると山の保水力が落ち、土砂が川へ流れ込む。その土砂が川の瀬や縁に貯まってしまうことで、小魚が隠れたり餌である苔など生育環境が無くなってしまうそうです。それも自然の営みと考えることもできますが、自然の保護という観点からも鹿の調整駆除も行われているということです。
鹿取さんは京都の大学で林学を学び、芦生原生林にて研究。島根県の獣害調査で山村に入っていた頃、鉄砲が必要だと決心されて、鉄砲の免許を取得。山を歩ける、犬と一緒に仕事をするのが楽しく、小学生のお子さんもおられる笑顔が素敵なお母さんです。(南丹市で狩猟免許を持っている女性は二人だけだそうです、鹿取さんは「狩猟ママ」ですね)
京都府では熊の猟はできない(福井県はできるなど地域によって異なる)のですが、熊肉が一番美味しいそうです。皮を剥いだり、肉を炊くだけでもどんぐりの香りが周りに広がるそうです。(鼻から思いっきり吸い込む香りを想像するだけでヨダレが出てしまいそうです。。)
美山の川は日本海へ流れ込む由良川の源流の1つだそうで、この辺りは冬は雪深い日本海側の気候になるそうです。そんな美山の川魚は全国でも美味しいと評判の鮎をはじめとし、アマゴや鰻など自然の豊かな恵みがすぐ目の前にあるようですが、美山に移り住んで15年ほどの間にそんな環境も大きく変わってきているようです。
特に鹿の増加による環境の変化は獣害としても大きな課題となっており、人の生活環境だけでなく、山や川の自然環境にも大きな影響を及ぼしているそうです。鹿が増えたことから鹿の餌である下草が食べ尽くされてしまい土壌が現れる山が増える。そして土壌が現れると山の保水力が落ち、土砂が川へ流れ込む。その土砂が川の瀬や縁に貯まってしまうことで、小魚が隠れたり餌である苔など生育環境が無くなってしまうそうです。それも自然の営みと考えることもできますが、自然の保護という観点からも鹿の調整駆除も行われているということです。
江和ランドでは農業もされており、アヒージョなど使えそうな唐辛子を干した鷹の爪が良い感じでできていたので購入させていただくことになりました。
田歌舎にて鹿肉アラカルトのジビエランチ
お昼は、再び車に乗って10分ほどで到着する「田歌舎(たうたしゃ)」にて鹿肉アラカルトのジビエランチをいただきました。田歌舎は農業、狩猟、採集を軸とした自然と密着した自給自足のライフスタイルを実践されており、江和ランド同様、さまざまなアクティビティを体験できるようで、そのライフスタイルを取り入れたレストランも経営されています。田歌舎での鹿狩はチームで行うということでひと冬(11月15日~3月15日)で100頭ぐらい捕るそうで、江和ランドも含め、他の組織などから年間200頭ぐらいの鹿が集まるそうです。
<本日のメニュー>
- 自家製パン
- テリーヌ(鹿のアキレス腱を煮込んでゼラチンを取る)
- 鹿のレバースモーク
- 鹿のハツ(心臓)スモーク
- 鹿の長期熟成型プロシュート(1年熟成。寒い時期に作っておられ、塩漬けして、猪のラードを塗って干す。梅雨時期を越せるか研究中)
- 美山牛乳のチーズ(いつもはヤギのチーズだけど、今は仔山羊なので乳が取れない)
- サラダ(野菜は田歌舎の農場にて収穫、ドレッシングには鹿ぶしを粉にして隠し味)
- 鹿のシチュー(野菜ゴロゴロ、肉ゴロゴロ、おかわり自由♪ 私はおかわり3杯しましたよー)
- 鹿のケバブ
- 里芋の揚げ
鹿の内蔵は食べない部位になっているようなんですが、スペイン煮込み料理「カジョス」にすることで鹿の内蔵も可能性あるかも知れませんね。
食肉である前に一頭の鹿、生命の尊さを包丁を通して感じる
お腹も満たしたことなので、再び江和ランドに戻って「鹿の解体」が始まります。
江和ランドには鹿を解体できる小屋があります。床はコンクリート打ちっ放しで掃除も容易で、エアコンも装備されており、衛生面でもしっかり整備されているようです。
その解体小屋には、二頭の鹿が吊るされていました。すでに内蔵は掃除された後で、ダニなどの昆虫を取り除くために水に沈められていたこともあってか全身の毛皮は濡れていました。今はまだ寒い時期であったこともあり臭いもありません。
心の準備はしていましたが、そんな二頭の鹿を目の前にすると、やっぱり少し動揺してしまいした。横にあるテーブルにはとても丁寧に研がれた解体用の包丁が数本並んでいます。その使い込まれた包丁は解体に対しての心構えと、少し安心感すら感じた気がします。
後脚の片脚のスネの辺りにロープを掛け、天井から鹿が吊るされており、その足首あたりに包丁を当てワインのキャップシールをカットするようにで皮をカットすると少し皮がずれ落ちる。そして解体が始まりました。
まずは全身の毛皮を剥ぎ取る作業を行います。毛皮の毛が肉に付かないように注意しながら、刃物と逆の手で皮を持ち、皮と肉の間に刃物を入れて、皮を剥ぎ進める。関節まではスムーズに剥ぐことができる。毛皮が剥がれると、みるみるうちに食肉に変わっていきました。
江和ランドには鹿を解体できる小屋があります。床はコンクリート打ちっ放しで掃除も容易で、エアコンも装備されており、衛生面でもしっかり整備されているようです。
その解体小屋には、二頭の鹿が吊るされていました。すでに内蔵は掃除された後で、ダニなどの昆虫を取り除くために水に沈められていたこともあってか全身の毛皮は濡れていました。今はまだ寒い時期であったこともあり臭いもありません。
心の準備はしていましたが、そんな二頭の鹿を目の前にすると、やっぱり少し動揺してしまいした。横にあるテーブルにはとても丁寧に研がれた解体用の包丁が数本並んでいます。その使い込まれた包丁は解体に対しての心構えと、少し安心感すら感じた気がします。
後脚の片脚のスネの辺りにロープを掛け、天井から鹿が吊るされており、その足首あたりに包丁を当てワインのキャップシールをカットするようにで皮をカットすると少し皮がずれ落ちる。そして解体が始まりました。
まずは全身の毛皮を剥ぎ取る作業を行います。毛皮の毛が肉に付かないように注意しながら、刃物と逆の手で皮を持ち、皮と肉の間に刃物を入れて、皮を剥ぎ進める。関節まではスムーズに剥ぐことができる。毛皮が剥がれると、みるみるうちに食肉に変わっていきました。
<解体手順として>
- ロープで吊っていない後脚のスネから先(蹄)をカットして、モモ肉から切り出し
- 二頭の鹿ということもあり、リブ付きロースの切り出しと、ロースとリブを別けた切り出しを行う
- 希少部位である内ロース(ヒレ)を切り出す
- リブとロースを別けた方は、リブの間の肉も雑肉として削ぎ出す
- レバーとハツは食用として切り出す
- 顎裏からタンを切り出す
- 雄鹿の角をのこぎりで切り出す
今の時期の鹿は痩せており。実際は旬ではないそうで、8月、9月の栄養価が高い夏鹿であれば油も乗っており美味しいらしいのですが、鹿取さんをはじめ猟師の方々は他の仕事も多く夏は猟には出ることが少ないそうです。
「奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき」(猿丸太夫)
という和歌にもありますが、秋になるとよく鳴いているし、秋の雌も美味しいとよく言われるそうです。ちなみに鹿肉はチョコレート色が美味しいとされているようです。
今回解体した鹿肉はバハルボール各店でもお出しします。詳しくは各店舗までお問い合わせください。
今後もバハルボールはさまざまな生産者の元へ出かけて行きます。素材の背景や物語を体験・経験し、生産者とお客様とを繋げることで、私たちのもっとも大切な「伝える」仕事が生まれていくと考えております。
<今回お世話になった方々>
・鹿取悦子さん
・佐藤さん
・ちーちゃん
田歌舎(たうたしゃ)
・藤原さん
・新田さん
ちなみに、今年の春、江和ランドでは福島県に行って美山に遊びに来てもらう子供たち(小学生4年生から)を募るようです。この企画は2011年から開催しており、当時は精神的に不安定だったけど、あれから5年、ずいぶん落ち着いて来ているとのことです。ボランティアで京都の高校生が活躍しているようで、今年度のボランティアを絶賛募集中だそうです!!
2015年は30名ぐらいの子どもたちが参加。私たちバハルボールもパエリアバスにてパエリアを焼きに行ってました!(その時は猪のパエリアでした♪)
スペイン海鮮料理 LA MASA(ラ マーサ)
http://www.lamasa.jp/
スペイン炭火焼料理 EL FOGON(エル フォゴン)
http://www.elfogon.jp/
スペイン食堂 La Gallega(ラ ガジェガ)
http://www.la-gallega.jp/